本や映画の感想集

最近はThe Doorsを聴いている

森田芳光監督のインタビュー。

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2010年 森田芳光監督インタビュー(映画『武士の家計簿』公開時)

 

森田芳光監督のインタビューがとても良かった。こちらが元気になるというか、気合いを入れ直したくなるようなそんなものでした。

2010年、映画『武士の家計簿』を監督した時のインタビューです。全文読んでいただきたいのですが、時間がない方のために後半の一部を。

 

"創作意欲の源泉、原動力" を尋ねられた森田監督はこう答えています。

 

「ルーティンワークは絶対に嫌ですね。誰でも出来るようなことをただやるのは嫌です。何かをやるからには常に新しいコンセプトが欲しい。それが出来なくなったらいつでも辞める気構えはあります。言葉は悪いけど、いつまでも『あのジジイ、何であんなに若いんだ』って言われるような監督になりたいんですよ。『間宮兄弟』だって50代で撮っています。年齢なんて関係なく新しいことにどんどんチャレンジしていきたいですね」

 

出典:http://news.mynavi.jp/articles/2010/12/03/morita/002.html

 

 

森田作品が常にフレッシュなのはそういうことなんですね。あのニューウェーヴ感の秘密が少しわかった気がしました。

インタビュー時、まさに還暦。すごいバイタリティ。気持ちが若いっていうんですかね。そもそも年齢とかどうでもいいのかもしれませんね。最近よく思うんです。何かを始める時に年齢とか気にしたらなーんにも出来ない。分かりやすい例でいうと「ピアノをやるなら3歳からやらないと絶対音感が・・・」とか(笑)

そもそもバイタリティがないと映画監督はできないですよね。大人数のスタッフ、役者、そして莫大な予算が、監督の肩にどっかと乗るわけですから。その中でも森田芳光監督は特別なのかもしれません。

 

 

そしてこんなことも。”新しい技術やツールの登場はこれからクリエイターを目指す人にとっては大きな追い風となるか” という問いに対し、

 

「それはすごく実感します。映像に関しては昔に比べて確実に動画媒体が増えましたよね。ただ、それなのになぜ若い人がもっと出てこないんだろうとは思います。ネットにブログ映画館みたいなものを作って、そこで自分が撮った動画を流すだけでもいいじゃないですか。100万円もかければ充分いい映像作品は撮れますから。もし、それが成功したら映画業界はあ然とするでしょうね。僕はこれから先、そういった新しいことを実現する才能を持ったクリエイターがもっと出て来ると思うんですよ。世の中には絶対すごいヤツがいますから」

 

出典:http://news.mynavi.jp/articles/2010/12/03/morita/002.html

 

 

どうですか?もうこんなの読んだら、僕なんて反省しかないですよ(笑) これが響くのは、別に映画監督を目指している人だけではないと思います。

そして、現在はまた大きく技術の進歩がありましたよね。まだiphoneがここまで生活の中に浸透していなかったですし、YouTubeだってその後押しがあり加速していきましたよね。たぶん僕が知らないだけで、新しい媒体を使った映画監督もいらっしゃるでしょう。自分もそういった活力、感覚だけは老け込まないようにしないとなあ。

 

そういえばパソコン通信を題材にした映画『(ハル)』も早すぎるIT映画といえるでしょう。真っ黒のモニター画面に浮かび上がってくる文字を、真っ暗な映画館の中で観客が夢中でみつめる、という1996年当時とても斬新な手法でした。メグ・ライアン主演のアメリカ映画『ユー・ガット・メール』が1998年ですから、森田芳光監督の感覚がいかに新しかったのかが分かると思います。

 

このインタビューの翌年2011年に森田芳光監督は亡くなられました。たくさんの素晴らしい作品を残されていますが、ご本人はきっと道半ばだったんでしょうね。

実を言うと僕は『(ハル)』と『キッチン』が物凄く好きなんです。理由はなんとなく分かってもらえると思いますが、その事は、あまり同性の友人には言いたくない(笑) しかしこれらの映画に救われたとすら思っています。

このインタビューにも、きっと思春期に森田作品に助けられた時とは違った、もう少し大人な事情で窮屈になった時に、助けられたりするのだと思います。