本や映画の感想集

最近はThe Doorsを聴いている

「大東京ビンボー生活マニュアル」は図らずも20年も前にミニマリズムを描いている。

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大東京ビンボー生活マニュアル / 前川つかさ(著)

1986年~1989年にモーニングで連載された漫画です。当時は「フリーターの漫画」として認知されていたように思います。僕はこの漫画大好きでした。

大東京ビンボー生活マニュアル(1) (モーニングコミックス)

大東京ビンボー生活マニュアル(1) (モーニングコミックス)

 

そもそもフリーターという言葉は1985年頃から使われ始めた言葉だそうです。そして1991年に厚生労働省が調査を行うため、年齢の定義を15歳~34歳に定めました。この漫画の主人公コースケは岩手県出身で、大学進学で上京して以来、ずっと東京に住み続けている。正確な年齢に言及するシーンはないが、周囲の登場人物との関係から、先に挙げたフリーターの定義15歳~34歳の間であることは間違いないです。

杉並区の安アパートで最低限の荷物で暮らすコースケは文学や音楽、映画を愛し、何より東京と四季折々の街並みを愛し、必要になるまでアルバイトすらしません。部屋の中には家具はおろかほとんど持ち物というものが置かれておらず、隣の部屋の大学生の冷蔵庫を使わせてもらったり、自転車を借りたり、暑いと上半身ハダカになったりもします。とにかく徹底した暮らしっぷり。食生活もしかり。ある意味、ことわざの「起きて半畳、寝て一畳。天下取っても二合半。」の精神をまっとうしているとも言えます。まさに貧乏生活を謳歌しているその様に愛好家は多かったようです。その証拠に、「なにもないシアワセ 大東京ビンボー生活マニュアル」のタイトルに改題し、2011年1冊にまとめられて復刊されたりもしている。また当時のままでKindle版もある。

 

いまこの漫画を読むと、コースケの生活はミニマリストとも言える徹底的に削ぎ落とされたものでかなり現代的。新しいものをたくさん持っていることが時に古い価値観とされる現代にこそ、この漫画を再読する意味があると思います。

銭湯につかり、牛丼が安いと食べたあとお持ち帰りでもう一つ買う。代々木公園で知らない男性の吹くトランペットでジャズを楽しみ、季節にあった古典文学をたしなむ。そしてちゃっかり可愛い彼女がいたりする。二度とは戻らない日々を体験させてくれます。