本や映画の感想集

最近はThe Doorsを聴いている

カポーティは怖い「夜の樹」

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夜の樹 (新潮文庫)

トルーマン・カポーティと言うと「ティファニーで朝食を」のイメージが強いから、洗練された爽やかな都会的な物語を書く作家と思われているフシがあるけども(無いか)、本当は孤独で自己の内面が段々と壊れていくような短編をいくつも書いていて、僕はそれも好きだったりします。

都会の匿名性っていうんですかね。都市生活者は特にはまる、というか背筋が寒くなるような話が多い。でもずっと前の話のハズなのにまったく古臭くない。もちろん、「深夜の電話」とかが小道具として使われていて、いまだったらSNSとかなんでしょうけど、でもそれもなぜか古さを感じさせないんですよね。この古さを感じさせないというのは、すべての名作に言えることかもしれませんね。

 

前に望月峯太郎の「座敷女」が怖いって書いたけど、怖さの質はあれに近い。久しぶりに昼間の地下鉄で短編集「夜の樹」を読み返してみたのですが、他の乗客がなんだか歪んで見えるような、そんな不気味な感覚に捕らわれました。そういうちょっと日常がずれるような感覚を得たくて読んでいるんですけどね。「ミリアム」とか「夜の樹」とかむちゃくちゃ面白い。いや、怖面白い。

ちなみに僕は長編の「遠い声、遠い部屋」はなんだかよくわからなかったんです。でも今考えると、基本的に「ミリアム」とか「夜の樹」を面白がることができればいけそうな気がするんだよなあ。再挑戦してみようかな。

 

夜の樹 (新潮文庫)

夜の樹 (新潮文庫)